建設業界は今、大きな転換期を迎えています。

国内の建設分野で働く外国人技術者は
2024年までの10年間で8倍超の1万6161人に増えましたが
不慣れな職場環境や仕事のギャップから短期で退職して帰国するケースも珍しくありません。

国土交通省が発表した「建設業における働き方改革の推進に関するガイドライン」は
単なる労務管理の改善にとどまらず
企業の持続可能性と競争力を高めるための重要な指針です。

なぜ今、外国人技術者を採用？

• 優秀な人材確保：
  国内外の大学・専門学校等で建築学・土木工学等を学んだ高度外国人材を確保し
  ビジネスの継続・発展等につなげることができます
• 海外展開・新規顧客の獲得：
  外国語に堪能で現地の市場をよく知る高度外国人材は
  事業の海外展開や新規顧客・販路開拓等に活躍することが期待できます。
• 組織の多様化、社員の意識変革：
  日本人社員に新たな「気づき」を与え
  社員の意識改革や職場環境の改善、生産性向上につなげることも可能となります。

採用・定着のコツ

外国人技術者の採用や、入社後の活躍のため、
事前に「仕事」と「生活」の両面で、準備を進めておくことが大切です。

「仕事」での準備

建設業では、外国人の労働災害の発生率が高く 、
言葉や習慣の違いが 、労災につながっています。

労災防止のために、以下の取り組みを進めていくことが重要です。

• 日本語の能力などの学習支援：内定者の不安を解消し、業務を円滑にスタートしましょう。
  提携する教育機関の選定や費用負担の考え方などを決めておきましょう。
• 日本人社員が「やさしい日本語」を学ぶ：主語や代名詞を明確にして話すなどの配慮が必要

「生活」での準備

定着のためには、「生活」での準備も必要です。

• 職場での相互理解：
  交流イベントの開催や気軽に相談できる「メンター」役の社員を置く。
• 生活支援の必要性：
  銀行口座開設や携帯電話の契約を結ぶ際は社員が同行することや、会社名義で住居を確保して貸し出す。

📌 経営者が取り組むべきポイント

1. 労働時間の適正管理
   • 勤怠管理のデジタル化や、現場ごとの労働時間の見える化が求められます。
   • 週休2日制の導入に向けた工程管理の工夫も重要です。
2. 処遇改善とキャリア形成支援
   • 賃金体系の見直しや、技能者の成長を支援する教育制度の整備が、定着率向上につながります。
3. 多様な人材の活用
   • 女性や高齢者、外国人材の活躍を促進するための職場環境整備が必要です。
   • 柔軟な働き方（短時間勤務、テレワーク等）の導入も検討しましょう。
4. 協力会社との連携強化
   • 元請・下請間での情報共有や、働き方改革に関する意識の統一が、業界全体の底上げにつながります。

参考ページ「外国人建設技術者の採用・定着に向けたハンドブック」

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