賃上げしたいけど「もう限界」…そんな企業にこそ必要な“次の一手”とは

時給UP

2025年10月から、愛知県の最低賃金は「1140円」です。
また、政府が目標に掲げる2020年代の時給1,500円は、
企業の5割が自社での対応が「不可能だ」と回答しています。

政府主導で進む賃金引上げに、企業の半数がついていけない現実が浮き彫りとなっています。

東京商工リサーチの調査をもとに、「無理しない賃上げ戦略」を考えていきましょう。

半数以上の企業、値上げに踏み切るが

東京商工リサーチが10月16日に公表した調査によると
今年の最低賃金引き上げにあわせて給与を改定した企業は56.7%にのぼりました。

特に、「最低賃金を下回らないが、それでも賃上げを行った」という企業は29.5%と
前年(21.1%)から大きく増加しています。
多くの企業が「人材確保のための賃上げ」に踏み切っています。

対応策は「価格転嫁」が最多

一方で、現場ではこんな声も聞こえてきます。

「もう限界。人件費を上げたくても利益が追いつかない」
「値上げをしたいけど、取引先との関係で難しい」

調査結果でも、賃上げの原資を「価格転嫁で対応」とする企業は39.1%にとどまり
「設備投資による生産性向上」は20.1%。

「対策がない」と回答した企業も14.0%あり
“自助努力だけでは厳しい現状が浮かび上がっています。

「賃上げ促進税制の拡充」で時給1500円へ?

最低賃金1500円への対応が「不可能」と回答した会社のうち
最も有効だと思う対策は「賃上げ促進税制の拡充」の46.7%で約半数を占めました

次いで、「生産性向上に向けた投資への助成、税制優遇」の44.2%(1,007社)、
「低価格で受注する企業の市場からの退場促進」の27.8%(634社)と続きます。

新陳代謝を含めた「退場促進」に関する議論は
地域経済や被雇用者への影響などから慎重論も多いですが
今回のアンケートで、受注面では中小企業が大企業を2.7ポイント上回っており
賃上げのための付加価値力の向上では見過ごせないポイントです。

最低賃金1,000円超に続き「1,500円」目標へ

政府が新しい資本主義実現会議で総括、中小企業支援を強調 ― 2025年春季生活闘争では、2年連続で定昇込み5%台の賃上げが実現しましたが中小企業や労働組合のない企業への…

「無理をしない賃上げ戦略」

名古屋を中心に中小企業を支援している当事務所でも
最近は賃上げに関するご相談が増えています。

「従業員を守りたい」という思いと、「経営を守らなければ」という現実の板挟み。
その両立を図るためには、次のような取り組みが効果的です。

① 賃金体系の“ゆがみ”を見直す

最低賃金の上昇に合わせて底上げを続けると
職務や責任の差が曖昧になり、モチベーションが下がることもあります。

職務・スキルに応じた賃金テーブルの再設計を行うことで
限られた資金でも「納得感のある賃上げ」が可能です。

② 生産性向上への「補助金活用」

国や自治体では、省力化や人材育成に関する補助金が多数あります。
例えば、業務改善助成金は「生産性を上げて賃金を引き上げる企業」を支援する制度です。
小規模事業者でも申請でき、賃上げと設備投資を両立できる点がポイントです。

③ 福利厚生・柔軟な働き方の強化

賃上げが難しい局面では、「働きやすさ」での差別化も有効です。
リモートワーク制度の導入、健康支援施策、誕生日休暇などの
低コストの福利厚生が、従業員の定着率向上につながります。

まとめ:賃上げは「経営改革のチャンス」

最低賃金の上昇は、確かに企業にとって負担です。
しかし、見方を変えれば、「組織を見直すきっかけ」にもなります。

労務サポートでは、

  • 賃金制度の再構築
  • 助成金の活用サポート
  • 働き方改革を踏まえた人事制度の見直し

など、“賃上げを乗り越えるための経営支援”を行っています。

「どこから手をつければよいか分からない」場合も、まずはご相談ください。
現場の実情に合わせて、無理のない賃上げと人材定着の両立をサポートいたします。

東京商工リサーチ『最低賃金の改定、企業の約6割が「給与を変更」 2020年代の1,500円は「対応不可能」が半数』

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