【社労士解説】価格転嫁で悩む経営者へ、取引適正化をどう進めるべきか

コスト高騰や人件費の上昇が続く中、多くの中小企業の経営者が
「原材料費や労務費は上がっているのに、取引価格に転嫁できない」
という悩みにぶつかっています。
実際に、現状の価格転嫁率は、5割程度にとどまっています。

価格転嫁とは何か?

価格転嫁とは、仕入れや労務コストの上昇分を
取引先や最終価格に反映させる行為です。

これが適切に行われないと
利益圧迫 → 賃上げの原資不足 → 事業持続性の低下という悪循環に陥ります。

「交渉したが、価格転嫁につながらなかった」というケースも一定数あり
特に中小企業では交渉力や影響力の弱さが顕著です。

【2026年1月~】中小受託取引適正化法(旧・下請法)改正のポイント

2026年1月施行予定の「中小受託取引適正化法」(旧:下請代金支払遅延等防止法)は名称変更にとどまらず、取引の適正化をより強く求める内容へと見直しが行われます。人手…

制度・法律が変わる取適法の施行

2026年1月1日より、これまでの下請法が改正され
「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」として施行されました。

この改正は単なる名称変更ではなく
次の点で実務に大きな影響があります

  • 発注者・受注者の対等・公正な関係を法制度として明確化。
  • 「協議に応じない一方的な価格決定」の禁止が明文化。
  • 対象取引の範囲が広がり、フリーランスや運送委託なども含まれる。

この制度変更により、価格転嫁交渉は単なる任意の話合いではなく
法の下で正当な取引条件の見直しとして行える基盤が整いつつあります。

価格転嫁を習慣化するためのステップ

価格転嫁を習慣化するためのステップを整理します。

ステップ①経営者が先頭に立った取引適正化への取組み強化

経営者自らが先頭に立ち、「パートナーシップ構築宣言」について
積極的に宣言・公表、社内での周知を行うとともに
実行とフォローのための社内体制を明確に示し
取引適正化の徹底を図る必要があります。

ステップ②「取適法」の施行を契機とした価格転嫁等の推進

「取適法」の趣旨を理解のうえ、自社の取引を改めて見直して
労務費・エネルギー費・原材料費の価格転嫁を推進する必要があります。

ステップ③「価格転嫁の商習慣」の定着による社会全体の付加価値向上

コストの転嫁にとどまらず、大企業と中小企業が連携して生産性を高め
デジタル化や省力化投資を協働して進め、付加価値向上を目指しましょう。

価格転嫁は「経営の力」そのもの

価格転嫁は単なる値上げ要求ではなく
コスト構造の合理性を伝え、取引先と共存共栄を図る経営戦略です。

今の制度・社会情勢は、長年控えめだった
「本当の取引条件の再構築」に向けた追い風とも言えます。

社労士としては、価格転嫁の問題を「法令対応」で片付けるだけでなく
企業の持続力・賃上げ力・労働環境の改善につなげる
戦略として位置づけることを強くお勧めします。

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