カスハラへの正しい対処法は?業界別『カスハラ対策マニュアル』が公表

近年、飲食店などの小売業において、
お客様や取引先からのカスタマーハラスメントによる被害が顕在化しています。
令和7年6⽉に労働施策総合推進法が改正され、カスタマーハラスメントを防⽌するため、
事業主に雇⽤管理上必要な措置が義務付けられました。
この度、スーパーマーケット業向けの「業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
および周知啓発ポスター、研修動画が公表されました。
また、農林水産省は2月27日、飲食店向けにカスタマーハラスメントに対する判断基準や
具体的な対応方法等を示したカスタマーハラスメント対策ガイドラインを策定しました。
研修動画では、マニュアルの内容やカスハラへの対応方法について解説されており
実務に役立つ内容となっています。
厚生労働省が運営するハラスメント対策の総合情報サイト「あかるい職場応援団」では
マニュアルやポスター、研修動画のほか、マニュアル策定手順例も掲載されています。
ガイドラインの主な内容
飲食店では、接客を行うスタッフが過度な要求や威圧的な言動を受けるケースが増えており
従業員の離職やメンタル不調の原因になることも少なくありません。
今回のガイドラインでは、飲食店で起こりやすいカスハラ行為として
次のような類型が示されています。
① 暴力行為
従業員への暴力、物を投げるなどの行為
② 恐怖・威圧的な言動
大声で怒鳴る、威圧的な態度をとる、人格を否定する発言
③ 長時間のクレーム対応
同じ内容のクレームを長時間繰り返す
退店せず従業員を拘束する
ガイドラインでは、こうした行為に対してどのように対応すべきかを具体例や動画で紹介しています。
また、
- 経営者・管理職向けの「詳細版」
- 現場で使いやすい「ダイジェスト版」
の2種類が作成されており、現場の教育にも活用しやすい内容となっています。
飲食店でカスハラ対策が重要な理由
飲食店では、次のような理由からカスハラが発生しやすいと言われています。
- 接客時間が短く、誤解やトラブルが起きやすい
- アルコール提供によるトラブル
- 混雑時の待ち時間や注文ミスによるクレーム
特に、アルバイトや若いスタッフが多い店舗では、
精神的な負担が大きく離職につながるケースもあります。
人手不足が深刻な飲食業界では、従業員を守る仕組みづくりが経営課題となっています。
経営者が行っておきたい対策
飲食店では、次のようなカスハラ対策を行うことが重要です。
① カスハラ対応方針を明確にする
「従業員への暴言や威圧行為には対応しない」などの基本方針を決める。
② スタッフが一人で対応しない体制を作る
トラブル時は店長や責任者が対応するルールを決める。
③ マニュアルや研修を実施する
カスハラの判断基準や対応方法を共有する。
④ 防犯カメラや記録の活用
トラブルの証拠を残す仕組みを整える。
社労士からのアドバイス
近年、カスタマーハラスメント対策は企業の安全配慮義務の一環として重要視されています。
また、厚生労働省でも、カスハラ対策の指針整備が検討されており、
今後は企業に対する対策の必要性がさらに高まる可能性があります。
飲食店では、
- 従業員向けのカスハラ対応マニュアルの整備
- クレーム対応ルールの明確化
- 管理職向けの対応研修
などを進めることで、スタッフが安心して働ける職場づくりにつながります。
人材確保が難しい時代だからこそ、従業員を守る環境づくりが店舗経営の安定につながります。
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