【労災保険】傷病補償年金とは?~支給の要件・金額・手続を解説~
仕事中のけが・病気が長期化した場合
一定の条件を満たせば「傷病補償年金」が支給される可能性があります。
今回は、その支給要件から等級、金額、手続までをわかりやすく解説します。
■ 2つの要件とは?

傷病補償年金が支給されるには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
- 負傷または疾病が治っていないこと
- その障害の程度が「傷病等級表」の1~3級に該当すること
「休業補償給付の支給開始から1年6か月を経過した日、またはその後」に該当する必要があります。
■ 傷病等級表
「傷病等級表」は、障害の重さに応じて1級〜3級に分類されます。以下は代表的な例です。
簡単にいうと、第1級は、常に介護を要する状態
第2級は、随時、介護を要する状態、第3級は、常に仕事ができない状態です。
| 等級 | 主な例 |
|---|---|
| 1級 | 両眼失明、四肢麻痺など、常に介護が必要な状態 |
| 2級 | 両足の機能全廃、重度の言語障害など、日常生活に著しい支障がある状態 |
| 3級 | 片足切断、心臓疾患による重度の作業制限など、労働能力に大きな支障がある状態 |
■ 支給額は?
傷病補償年金の額は、給付基礎日額の313日分(1級)~245日分(3級)となっており
等級によって異なります。
また、傷病等級が1級または2級で、胸腹部臓器・神経系統・精神の障害があり
現に介護を受けている場合は、介護補償給付もあわせて支給されます。
■ 支給時期は?
支給開始時期や支払い方法は以下のとおりです。
- 支給開始: 要件を満たした月の「翌月分」から
- 支払日: 年6回(2月・4月・6月・8月・10月・12月)
- 支払対象: それぞれ直前2か月分が支給されます
なお、療養補償給付は継続されますが、休業補償給付は打ち切られます。
■ 手続は?
傷病補償年金は原則として、労働基準監督署が支給・不支給を判断するため
請求手続は不要です。
ただし、療養開始から1年6か月経過しても治っていない場合には、以下の対応が必要です。
- 該当の可能性がある場合:
→「傷病の状態等に関する届(様式第16号の2)」を1か月以内に提出 - 該当しない場合でも療養が継続する場合:
→「傷病の状態等に関する報告書(様式第16号の11)」を、毎年1月分の休業補償請求とあわせて提出
いずれも提出を忘れないよう、注意が必要です。
■ まとめ
傷病補償年金は、長期にわたる就業不能状態を支える重要な制度です。
しかし、“自動的にもらえる”と思い込んで何も届け出をしないと
給付のチャンスを逃すこともあります。
当事務所では、労災補償に関するご相談や、必要な届出・書類作成の支援も行っております。
お気軽にご相談ください。


アスベストで労災認定され12年間休業補償を受給している。71歳です傷病補償年金への切り替えはないのでしょうか。
コメントありがとうございます。
ご質問の「傷病補償年金への切り替え」についてですが、労災保険では次のような仕組みになっています。
労災による療養開始から1年6か月を経過しても
①傷病が治癒していない
②障害等級(第1~第3級)に該当する程度の傷病である
③引き続き療養が必要
という要件を満たす場合、休業補償給付は打ち切られ、傷病補償年金へ移行することとされています。
詳しくは最寄りの労働基準監督署 または 労災保険相談ダイヤルへお問合せください。
0570-006031
月曜日~金曜日 8:30~17:15