副業・兼業が許される?企業の事例を公表!

名古屋の社会保険労務士事務所、労務サポートです。

従来の世代は、正社員として60歳まで1つの会社で勤め上げ、定年退職後はのんびりと過ごすことが「普通」の人生でした。
時代とともに人生も多様化しています。

近年では「多様な働き方を認める」趣旨から、副業・兼業を認めている企業もあります。

厚生労働省は兼業・副業を検討している企業のために、11社の事例を公表しております。

なぜ兼業・副業を解禁したのか?

副業・兼業を導入した企業は副業・兼業についてどのように考えているのでしょうか。

  • 副業・兼業の解禁の背景は、企業によってさまざまであり、「多様な働き方を認める」という趣旨のものが多いです。
    中には、「社員のニーズ」、「トップダウン」、「ボトムアップ」といったものも見られました。
  • 副業・兼業の解禁は、多様な人材から選ばれる企業になる上でも重要という考え方を持つ企業も見られました。
  • 「新たな人脈やスキルを獲得し、労働者の成長につなげてほしい」、
    「主体的なキャリア形成をしてもらいたい」などとして、
    副業・兼業を積極的に推進したいと考える企業が見られました。
  • 副業・兼業を実施するか否かは労働者の自由に委ね、積極的な推進を行うものではないと考える企業も見られました。

「多様な働き方を認める」風潮は新型コロナウイルスによる影響により拡大されたと思われます。

また少子高齢化により、物流・建設、土木・介護、接客などの
「生活維持サービス」が縮小・消滅していくことが予想されています。

リクルートワークス研究所の「2040年の未来予測」は、
2030年に341万人余、2040年に1100万人余の労働供給が不足するという衝撃の数字を公表しています。

リクルートワークス研究所は労働力不足に対する4つの対応策を提案しています。

  • 徹底的な機械化・自動化
  • ワーキッシュアクトという選択肢
  • シニアの小さな活動
  • 待ったなしのムダ改革

「ワーキッシュアクト」(Workish act)は、
兼業・副業、町内会・自治会での活動、子供の教育活動や運営の手伝いなどの
本業以外で何らかの報酬を得るために誰かの何かを担う性質がある活動と定義されています。

副業・兼業を解禁することは少子高齢化社会による労働力不足に対応する1つの手段だといえます。

労働力不足は避けられませんが、機械化・自動化を進めることで対応できるでしょう。
さらに男性の育児休業取得の推進、副業・兼業の許可など働きやすい環境を整えるのも大事です。

副業の解禁状況

副業を解禁している会社の制度は以下の通りです。

  • 本業に支障があり、利益相反に当たる副業・兼業などを原則禁止と定めており、
    副業・兼業の実施にあたっては申請書または誓約書の提出を求め、人事部等で審査、承認等を行っています
  • 申請書への記載事項としては、副業・兼業先での業務内容や、実施期間、実施形態(雇用または非雇用)、
    実施時間数(時間帯、頻度を含む)などが多く見られました。
  • 自社での業務を本業としてもらいたいと強く考えている企業にあっては、副業・兼業を許可制とし、
    自社での勤務に影響がないよう、副業・兼業の実施時間や頻度等について厳しく審査を行っています。
  • 同業他社での副業・兼業であっても、一律禁止とはせずに、承認の可否を業務の内容から判断しています。
  • 社内の業務に必要な能力形成を優先するため、勤続年数についての要件を設けています。

労働時間の管理方法

副業・兼業を解禁すると気になるのが労働時間の管理です。

労働者の自己申告により通算する企業が多いですが、
管理負担軽減のため、管理モデルを導入している企業が4社ありました。

管理モデルを導入している企業では、副業・兼業先の労働時間と自社の時間外労働の時間を通算して
単月100時間未満、複数月平均で80時間以内となるように求めています。

少子高齢化による労働力不足に対応しつつ、選ばれる企業であるためも
「多様な働き方」を認めることが大切だと思います。

そこで名古屋の社会保険労務士事務所労務サポートでは、
副業・兼業の解禁、誰もが働きやすい職場づくりをご支援いたします。

厚生労働省「副業・兼業に取組む企業の事例集」▼https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001079974.pdf

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