中小企業における賃金動向

名古屋の社会保険労務士事務所、労務サポートです。
日本銀行は12日、地域経済報告-さくらレポート(別冊シリーズ)を発表しました。
日本銀行「地域経済報告―さくらレポート―(別冊シリーズ)

副題は「地域の中堅・中小企業における賃金動向」です。
賃上げのためのヒントになると思います。

中小企業の賃上げ事情(概要)

賃上げ

地域・業種・企業規模を問わず、賃上げの動きに広がりがみられており
「昨年を上回る」あるいは「賃上げを実施した昨年並み」という声が多くあります。

中小企業へのヒアリングでは、人材確保のための「防衛的値上げ」や
人件費上昇の抑制のため、賃上げを見送った企業もあり、ばらつきが大きくなっています。

また、人手不足は一過性ではなく、今後も継続的な賃上げが必要です。
必要な原資の確保のために以下の3つの動きの変化が見られます。

  1. 原材料コストの価格転嫁による原資確保や人件費の価格転嫁への動きの広がり
  2. 設備投資やデジタル活用の活発化
  3. 事業再構築、他社との連携強化など経営変革の動き

最近の政府などの働きかけや
安定的なサプライチェーンを維持するうえでの人材確保の重要性への理解の深まりもあって
「人件費上昇分の価格転嫁が進めやすい環境に向かいつつあります。

名古屋の製造業によると
「販売先の大手企業が価格交渉スタンスを軟化させており
労務費などの価格転嫁が徐々に進み、賃上げ原資を確保できている」そうです。

出所:日本銀行調査統計局

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