中小企業の賃上げ、政府の対策は?
近年、賃上げの流れが続いています。
昨年の最低賃金の全国加重平均は1,004円と、「全国加重平均1,000円」を達成しました。
引上げ額は全国加重平均43円で、過去最高の引上げ額です。
令和6年(2024)6月下旬に閣議決定した
「骨太の方針2024」及び「新しい資本主義のグランドデザイン実行計画2024」でも
賃上げの定着が重要視されています。
岸田総理も、「33年ぶりの高水準の賃上げ、史上最高水準の設備投資など
デフレから完全に脱却し、成長型の新しい経済ステージへと移行するチャンスを迎えています。」と述べています。
また、三位一体の労働市場改革の推進、人手不足への対応などに関する政策が気になるところです。
これらを実現するための事項は次のようなものがあります。
これらが、どのような形で具体化されるのか、動向に注目です。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2024.pdf
- 最低賃金の全国加重平均1500円の2030年代半ばまでの達成
- 男女間賃金格差是正
- 非正規雇用労働者の正社員転換の促進、同一労働同一賃金の徹底
- 「年収の壁・支援強化パッケージ」の活用促進
- 被用者保険の適用拡大の検討
- 価格転嫁のさらなる徹底(労務費指針」の周知徹底など)
- 全世代のリスキリング(教育訓練給付の拡充、団体検定の活用)の推進
- 副業・兼業の推進(割増賃金の支払いにかかる労働時間の通算管理の見直し)
中小企業・小規模企業に広がっていくためには、労務費の価格転嫁が鍵の一つです。
民間の調査会社によると、多少なりとも価格転嫁ができている中小企業は
2022年12月時点で69.2%であったが、2024年2月時点で75.0%に上昇しています。
他方、価格転嫁が全くできないと回答した企業も
比率が減少しているとはいうものの(15.9%→12.7%)残っており
転嫁対策の更なる徹底が必要です。
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