週所定労働時間は平均 39時間24分

厚生労働省は、2025年「就労条件総合調査」の結果を公表しました。
それによると、週所定労働時間は1企業平均39時間24分となり
前年とほぼ横ばいの結果となっています。
産業別には、「金融業、保険業」が最も短く
「宿泊業、飲食サービス業」が最も長くなっています。
このようなデータを目にした経営者の方から、次のような声をよく聞きます。
- 「うちは40時間だけど、問題はないのか?」
- 「平均より長いと、やはり見直すべきなのか?」
- 「週休2日制や有休取得率は、どこまで求められているのか?」
重要なのは、平均値そのものよりも、その“意味”をどう読み取るかです。
平均39時間24分は「目標」ではない
まず押さえておきたいのは、
この数字は“守らなければならない基準”ではないという点です。
週所定労働時間の法定基準は、あくまで以下の通りです。
- 1日8時間
- 1週40時間
しかし、だからといって「参考にする必要がない」わけではありません。
経営者が比較データを見る本当の目的
経営者がこのデータを検索する背景には、主に次の3つの目的があります。
① 自社の労働時間は“長すぎないか”を確認したい
39時間24分という数字は
「週40時間をそのまま所定労働時間にしていない企業が多い」
という現実を示しています。
- 所定労働時間を短くしている
- 週休2日制を前提に設計している
- 残業を前提にしない運用をしている
こうした企業が増えている結果とも言えます。
自社が常態的に残業ありきになっていないかを見直す材料になります。
② 週休制度・働き方が「採用面で不利にならないか」
調査では、
- 「何らかの週休2日制」:92.6%
- 「完全週休2日制」:65.5%
と、完全週休2日制の企業が大きく増えています。
「完全週休2日制」を採用している企業割合を企業規模別にみると
「1,000人以上」が 77.9%で、大企業を中心に広がっていることが分かります。
この数字は
法令対応というより「採用市場での標準」が変わってきている
ことを示しています。
求人票に記載する労働条件が
「応募されにくい条件になっていないか」
を判断するための重要な比較材料です。
③ 有給休暇取得率の上昇が意味するもの
今回の調査では
- 年次有給休暇の平均取得率:66.9%
- 平均取得日数:12.1日
と、いずれも過去最高を更新しています。
取得率を産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が75.2%と最も高く
「宿泊業,飲食サービス業」が50.7%と最も低くなっています。
年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は40.8%(令和6(2024)年調査 40.1%)となっており、
計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が71.6%と最も高くなっています。
実際に有給休暇取得率が上がった会社には、
- 計画的付与
- 業務の属人化解消
- 管理職の意識改革
といった仕組みづくりを行った結果、
自然と取得率が上がっているケースが多く見られます。
有休取得率は「会社の姿勢」を映す指標になりつつあります。
比較データは「自社を否定するため」ではない
こうした統計データは、
「平均より長い=ダメな会社」
というレッテルを貼るためのものではありません。
大切なのは
- なぜ自社はこの働き方になっているのか
- 業種・規模・人員体制に合っているのか
- 今後も同じ設計で持続可能なのか
を考えるための材料として使うことです。
社労士の視点:データは“判断の起点”
統計データは
「今すぐ制度を変えなければならない」
という結論を出すためのものではありません。
むしろ、
- 就業規則は現状に合っているか
- 労働時間管理は実態と乖離していないか
- 今後の人材確保を見据えた設計になっているか
を点検する起点として活用すべきものです。
まとめ
今回の「週所定労働時間39時間24分」という数字は
単なる平均値ではなく、
- 働き方の標準が少しずつ変化していること
- 週休制度・有休取得が経営課題になっていること
- 労務管理が“採用力”に直結する時代になっていること
を示しています。
「うちは平均より長い・短い」だけで一喜一憂するのではなく
自社の経営方針・人材戦略と照らして、どう判断するかが重要です。
当事務所では、こうした統計データを踏まえ、
貴社の実態に合った労務設計・就業規則の見直しをご支援しています。
気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
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