給与のデジタル払いの現状と課題
名古屋の社会保険労務士事務所、労務サポートです。
最近注目を集めている「給与のデジタル払い」について
エン・ジャパン株式会社が行ったアンケート調査結果をご紹介します。
デジタル払いは2023年4月に解禁された新しい給与振込制度で
決済アプリや電子マネーを通じて給与を受け取る仕組みです。
現状や課題を知ることで、導入を検討する際の参考にしてください。
関連記事「2023年4月開始!「賃金のデジタル払い」を解説」
調査結果の概要
1.給与のデジタル払いの認知度

「給与のデジタル払い」に関する意識調査
ー『エン転職』ユーザーアンケートーより引用
デジタル払いの認知度について尋ねたところ、以下のような結果が得られました。
- よく知っている:8%
- 概要は知っている:56%
- 知らない:32%
- わかりづらい:4%
デジタル払いの解禁から1年以上が経過しているものの
まだ多くの人にとって十分な情報が浸透していない状況が見受けられます。
2.デジタル払いの利用意向

「給与をデジタル払いで受け取りたい」と答えた割合は以下の通りです
- とても利用したい:3%
- 利用したい:12%
- あまり利用したくない:42%
- 利用したくない:28%
- わからない:13%
多くの人が利用に慎重な姿勢を示しているようです。
3.デジタル払いで受け取りたい金額や種類

「利用したい」と答えた方の中では
「すべてをデジタル払いで受け取る」というより、一部の金額での利用を希望する人が多いようです。
- 月給の25~49%:28%
- 月給の100%:22%
- 月給の50~74%:21%
- 交通費や経費のみ:11%
4.導入への課題

「利用したくない」と回答した人に対し、導入条件を尋ねた結果
- 手数料の無料化:61%
- ポイントの還元や上乗せ:46%
- 障害発生時の保障:46%
- セキュリティ強化:37%
利便性や安心感が重要なポイントであることがわかります。
まとめと課題解決のヒント
調査結果から、給与のデジタル払いは便利な仕組みである一方
多くの労働者がセキュリティや手数料に不安を抱いていることが明らかになりました。
特に、「現在勤めている会社でデジタル払いが導入されている」と答えた人は
わずか1%という現状は、導入の難しさを物語っています。
企業としてこの制度を導入する際には、以下のような対策が求められるでしょう。
- 従業員への情報提供:制度のメリットや利用方法を丁寧に説明する。
- 手数料負担の軽減:会社側が出金手数料を負担するなどの仕組みを検討。
- セキュリティ強化:システムの安全性を確保し、従業員が安心して利用できる環境を整える。
「デジタル払いを検討しているが何から始めればよいかわからない」
「従業員への説明方法に不安がある」といったお悩みがあれば、ぜひ当事務所にご相談ください!