「ビジネスと人権」のチェックブックが公開

グローバル化の流れの中、ビジネスにおける人権の尊重が求められています。
例えば、欧米諸国では、人権デュー・ディリジェンスの実施を求める法制度を導入する動きがあります。
日本企業も、海外と取引する中で、人権尊重の流れに対応しなければ
取引停止や信用失墜のおそれがあります。
しかし、人権に関する理解不足、方法がわからないなどの課題も指摘されていました。
そこで、ビジネスと人権における取組状況が確認できるように
2024年10月、「労働におけるビジネスと人権のチェックブック」が公表されました。
以下5つの分野について求められる具体的な取り組みについて整理しています。
- 児童労働
- 強制労働
- 結社の自由と団体交渉
- 差別
- 安全衛生
このチェックブックを活用し、「ビジネスと人権」に関する取組を進めていきましょう。
5つの分野の取り組み
日本では、労働関係法を守ることが、ビジネスにおける人権尊重につながります。
①児童労働
自分の会社だけでなく、取引先でも、児童労働が行われていないか
児童労働のリスクに影響を与えていないかチェックすることが求められています。
チェックブックでは、以下のようなチェック項目があります。
国際基準及び国内法令で定められた就業が認められる
最低年齢を下回っている労働者がいないか確認している
②強制労働
会社が労働者の身分証明書を預かるなど
会社が、労働者の自由な行動を制限することは
強制労働であると判断されるおそれがあります。
人権を尊重する責任を果たすため、企業方針や手続などを確認する必要があり
チェックブックにも、以下のような項目があります。
- 強制労働のリスクに関する方針を策定し、取引先にも周知している
- サプライチェーン上の取引先企業の労働者や労働組合などとの対話を適切に実施している
③結社の自由と団体交渉
チェックブックでは、以下のような項目があります。
- 労働者が労働組合を結成することを妨げている
- 組合員であること、もしくは、正当な組合活動を行ったことを理由に、解雇やその他不利益な取扱いをしたことがある
自社のみならず、取引先でも
労働組合活動の抑圧に加担・助長していないか確認してみましょう。
④差別
差別について、以下のチェック項目があります。
- 採用時に、人種、皮膚の色、性、宗教、政治的見解、国民的出身又は社会的出身を考慮している
- 人種、皮膚の色、性、宗教、政治的見解、国民的出身又は社会的出身を理由として
賃金、労働時間等の労働条件について差別的取扱をしている
⑤安全衛生
労働安全衛生法では、労働災害を防止するため、職場における労働者の安全と健康を確保し
快適な作業環境を促進する目的のもと安全衛生対策を義務付けています。
チェックブックでも、以下のチェック項目を定めています。
- 機械、危険物、電気等のエネルギー等による労働者の危険を防止するための措置を講じている
- 有害な原材料、ガス、蒸気、粉じん等による労働者の健康障害を防止するための措置を講じている
詳細は、厚生労働省の「ビジネスと人権のチェックブック」をご覧ください。
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