経営者の「学び直し」、時間的な制約が課題 ― 東京商工会議所が調査結果を公表

学ぶ大人

東京商工会議所は9月
経営者を対象に「学び直し(リスキリング)に関するアンケート調査」結果を発表しました。

この調査では、経営者自身および従業員の“学び直し”への姿勢
学びの手段・障壁、そしてその成果などが明らかになっています。

経営者の「学び直し」

経営者の方で、学び直しに「すでに取り組んでいる」50%
「取り組んでいないが2~3年以内に取り組みたい」20%と
合計で7割が学び直しに意欲を示している点が注目されます。

学び直しの最大の課題は「時間」

調査によると、学び直しを実施している経営者
これから取り組みたいと考える経営者のいずれにおいても
時間的な制約が最大の課題に挙げられています。

経営者は日々の業務に追われる中で
学習に充てる時間を確保することが難しいのが現状です。

きっかけ

経営者の学び直しのきっかけは
「事業を進める上で不足している知識やスキルを習得したかったから」が最多で80%、
「新しい分野の知識やスキルに興味があったから」が56%で
自らの課題意識を理由とする回答が多いです

学び直しの内容は、既存事業で必要な知識・スキル(76%)、新規事業での知見(55%)、
デジタル・IT、法務・会計、マネジメントなどが多く、語学や汎用スキルは比較的少数です。

学び直しの効果

経営者の学び直しの効果として
「自社の経営を俯瞰して見直し、将来像を考えられるようになった」が最も多く60%
「既存事業の生産性向上につながった」が46%
「経営へのモチベーション向上につながった」が45%
「従業員の人材育成制度の推進・改善につながった」が44%と続き
経営的視座の向上から業務改善まで多面的に効果がみられます。

従業員の学び直し

従業員への学び直しの機会は、「提供している」が6割近くを占めます。
経営者自身が学び直しに取り組んでいる企業はより積極的で
7割を超える企業が「提供している」と回答しています。

従業員の学び直しを後押ししするため
資格や知識・スキルの習得を人事評価の基準にする企業は、約5割を占めています。

また、東京商工会議所はヒアリングを実施した4社の事例も紹介しており
学び直しに取り組む背景や工夫が具体的に示されています。

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社労士としての視点

近年、AI・DXの進展や労働環境の変化に伴い、
経営者自身が新しい知識を学び直す必要性は高まっています。
特に中小企業では、

  • 労務管理のデジタル化
  • 法改正への対応(労働時間管理、育児・介護休業法、物流関連法 など)
  • 人材育成とリスキリングの仕組みづくり

といったテーマが、経営課題と直結しています。

学び直しに取り組む経営者が増えることは、
従業員のスキルアップや組織の持続可能性にもつながります。

まとめ

今回の調査から、経営者の学習意欲は高い一方で、
時間の制約が大きな壁になっていることが分かりました。

当事務所では、経営者や管理職の皆さまに向けた労務法令や人材育成に関する研修・サポートを提供しています。
限られた時間の中でも、効率的に必要な知識を身につけられるようお手伝いしておりますので、
ぜひお気軽にご相談ください。

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