労使コミュニケーションの実態と課題とは?「調査」から読み解く人事労務のヒント

交渉

厚生労働省は2024年6月24日
「2024年度 労使コミュニケーション調査(労働者調査)」の結果を公表しました。

今回の調査では、職場における労使の意思疎通
労働組合への加入実態や意識などが明らかにされており
人材の定着や組織の健全な運営を考えるうえで、多くの示唆が得られます。

◆ コミュニケーションを「良い」と感じる労働者は約6割

労働者の55.8%が、現在の労使コミュニケーションを「良い」と評価している一方で
「どちらとも言えない」が34.3%、「悪い」との評価も約9%あり
職場によってばらつきがあることがわかります。

特に労働者が重視するテーマとしては

  • 「職場の人間関係」(66.0%)
  • 「日常業務の改善」(59.0%)
  • 「作業環境の改善」(52.5%)
    が上位を占めています。

正社員とパートタイマーで重視する内容が異なる点も見逃せません。
パートタイマーでは「賃金・労働条件」(50.8%)が上位に来るなど
立場による意識の違いも把握しておく必要があります。

◆ 労働組合への加入は進むが、加入しない理由も明確に

企業内に労働組合がある職場(42.7%)のうち
正社員の84.7%、パートタイマーの72.3%が加入しているという結果が出ています。

一方で、加入資格があるにもかかわらず加入しない理由としては

  • 加入するメリットが見出せない」(51.8%
  • 「興味がない」(38.0%)
  • 「組合費の負担を避けたい」(24.5%)
    といった意識が見られます。

就業形態別では

  • 正社員:「加入するメリットが見出せない」(62.2%)
  • パートタイマー:「周囲に加入者がいない」(49.6%)
    が最も多くなっており、組合活動が身近に感じられない現実も浮き彫りとなっています。

◆ 経営者・人事担当者が取り組むべきポイント

この調査結果から、経営側としては次のような視点での改善が求められます。

1.職場の「対話の場」を増やすこと
コミュニケーションが「良い」と感じている労働者は半数強。
定期的な面談やアンケートの実施により、従業員の声を吸い上げる仕組みづくりが重要です。

2.就業形態ごとのニーズに応じた対応
正社員とパートタイマーでは重視する項目が異なります。
特に非正規社員に対しても公平感のある対応を図ることで
職場全体の満足度を高めることができます。

3.労働組合の有無にかかわらず、働きやすい職場環境づくりを
労働組合があっても、「メリットが見えない」という声が多い現状では
組合活動に頼るのではなく、経営側主導のエンゲージメント施策が求められます。

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まとめ
企業の成長には、従業員の納得感と働きやすさが不可欠です。
今回の調査結果は、「コミュニケーションの質」や「労働環境の整備」が
従業員の声を反映する重要な手がかりになることを示しています。

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