2026年の職場の熱中症「予防ガイドライン案」公開

厚生労働省は、令和6年の職場における
熱中症による死傷災害の発生状況を発表しました。
それによると、死傷者数(死亡および4日以上の休業を要した災害)は1257人と
統計開始以来、最多水準で推移しており、極めて深刻な状況です。
死亡者数も31人にのぼり、3年連続で30人を超える高止まりが続いています。
厚生労働省は
2025年6月の労働安全衛生規則の改正が死亡災害の防止に貢献したが
記録的猛暑の影響もあり休業4日以上の死傷者数が増加したため
熱中症の罹患リスクを低下させる対策が求められると判断しました。
そこで、2026年夏に向けて、「熱中症防止対策のガイドライン案」を公開しました。
1. ガイドラインの目的
このガイドラインの目的は以下の通りです。
- 事業者が職場の熱中症リスクに応じて適切な対策を選択・実施できるよう、
労働衛生管理体制・作業環境管理・作業管理・健康管理・教育の具体的方法を示す。 - 労働者、注文者・作業場所管理者・個人事業主といった、すべての人が参考にすべき
建設、製造業は特に注意
特に被害が多かったのは以下の業種です。
- 建設業:228人
- 製造業:235人
- 運送業:186人
加えて、令和2年以降の5年間で
熱中症による死傷者は建設業と製造業の2業種で多く発生しており
いずれの年も2業種の死傷者数が全体の約4割を占める結果となりました。
名古屋地域の中小企業こそ、対策の徹底を
製造業や建設業、物流関連企業が集積する名古屋市および周辺地域にとって
決して対岸の火事ではありません。
猛暑日の増加など、近年の気候変動を鑑みれば
これまでの対策では不十分となる可能性も否定できません。
自社の作業環境に潜むリスクを改めて洗い出すことが急務です。
今日から始めるべき熱中症対策
厚生労働省も「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開し
対策の徹底を呼びかけています。
職場での熱中症対策は、以下が有効です。
【管理体制の構築】
- 有害要因の特定:高温多湿、連続作業、通気性の悪い服装、身体負荷の高い作業など。
- WBGT値の把握と活用:
現場のWBGT値(暑さ指数)を計測し、作業中止や休憩時間の延長基準を明確に定める。- WBGT値(暑さ指数):気温だけでなく、湿度、日射・輻射熱を取り入れた
より実態に即した熱中症予防のための指標です。
- WBGT値(暑さ指数):気温だけでなく、湿度、日射・輻射熱を取り入れた
- 作業計画の見直し:
気温が高くなる時間帯を避けた作業スケジュールの調整。 - 緊急時対応の周知徹底:
熱中症の初期症状(めまい、頭痛、吐き気など)の見分け方や、救急時の応急処置について
全従業員が理解できるよう教育・訓練を実施する。- 判断に迷う場合は #7119 などで専門家に相談。
- 救急搬送までの間、絶対に一人にしない。
【職場環境の改善】
- 設備の導入・整備:
スポットクーラーや大型扇風機、ミスト発生装置などの設置。休憩場所には冷房を完備する。 - 作業着・保護具の見直し:
通気性の良い素材や、ファン付き作業着、ネッククーラー、クールベストといった
最新の防暑グッズの導入を検討する。
【作業者自身の健康管理】
- 体調確認の徹底:
朝礼時などに問診やチェックリストを用いて、睡眠不足や体調不良の従業員がいないか確認する。 - 水分・塩分の定期的な摂取:
「のどが渇く前」に水分を補給できるよう、時間を決めて休憩を取り
経口補水液やスポーツドリンク、塩飴などを常備する。
5. その他の留意点
- 4月中までに夏季対策の準備を完了することが望ましいです。
- スポットワーカーも教育・体制整備の対象です。
- 注文者・作業場所管理者も休憩や水分補給の必要性を理解し、工期等に配慮しましょう。
- 個人事業主も自ら対策を選択し実施する必要があります。
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