ドライバーの処遇改善~休息時間を継続9時間以上へ
令和6年4月施行。運転者の休息時間、見直し発表
脳・心臓疾患の労災支給決定件数は運輸業、郵便業が最も多く、過労死等の防止に向け拘束時間等の改善が課題となっています。
そこで2022年9月27日、厚生労働省は自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の見直し案を了承しました。
自動車運転者の労働時間等の規制は、その業務の特殊性から
拘束時間、休息時間等の遵守を求めた改善基準告示が定められています。
見直し内容は以下のとおりです。
ドライバーの休息時間の見直し
現在は8時間だが、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない」とされました。
令和3年9月に改正された脳・心臓疾患の労災認定基準では
勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務が業務の過重性の評価対象として明確化されており
原則11時間以上の休息時間の確保が望まれています。
つまり最低継続9時間の休息時間を与えければならず、11時間以上与えるように努力する義務があることになります。
各運転者の拘束時間はどう変わる?
トラック運転者などの各運転者の拘束時間は以下の表のようになります。
現行 | 改正後 | |
1年 | 3,516時間 | 3,300時間 |
1カ月 | 原則:293時間 最大:320時間 | 原則:284時間 最大:310時間 |
現行 | 見直し後 | |
1年 | 年換算:3,380時間 | 原則:3,300時間 |
4週平均 1週 | 月換算原則:281時間 月換算最大:309時間 | 原則:281時間 最大:294時間 |
現行 | 見直し後 | |
1カ月 | 日勤:299時間 隔動 原則:262時間 最大270時間(変更なし) | 日勤:288時間 隔動 原則:262時間 最大270時間(変更なし) |
このようにトラック運転手、バス運転手、ハイヤー・タクシー運転手も拘束時間が減少していることが分かります。
忙しい中小企業にとっては、きついものがあると思いますが
業務の効率化や社員の働き方改革を行うことで、より組織が活性化していくと思います。
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