人的資本経営のポイントとは?社労士が解説

名古屋の社会保険労務士事務所、労務サポートです。
今回は人的資本経営の解説をしていきます。

人的資本経営とは、人の能力を大切な資本と考え、能力を引き出す経営のことです。
つまり多様な人材が活躍しやすい職場環境をつくる経営といってもよいでしょう。

2022年5月に公開された人材版伊藤レポートでは
人的資本経営をどのように実行すればよいかが書かれています。

今回はこのレポートを基に、
人的資本経営の3つのポイントと5つの共通要素について解説していきます。

人材版伊藤レポート2.0

人的資本経営を強化する3つのポイント

  1. 経営戦略と人材戦略が連動しているか
  2. 理想と現実のギャップを把握できているか
  3. 企業文化として定着しているか

以上の3点が人的資本経営を強化する3つのポイントです。

戦略人事とは?

戦略人事のポイントは以下の7点です。

  1. CHROの設置
  2. 全社的経営課題の抽出
  3. KPIの設定、背景・理由の説明
  4. 役割分担の検証とケイパビリティ向上
  5. サクセッションプランのプログラム化
  6. 社外取締役の登用(指名委員会委員長)
  7. 人材に関するKPIを役員報酬に反映

企業が持続的に成長していくためには人事戦略と経営戦略が連動していることが大切です。
しかし多くの企業では管理業務に追われており機能していないことが実情です。

1)そこで人材戦略を立案し、実行する責任者としてCHROの設置から始めるのがいいでしょう。
2)人材面の課題を整理し、経営陣、取締役会と議論します。

3)KPIとは目標を達成するための行動目標です。
  このKPIを設定し、背景や目的を社内・社外に説明します。

4)人事と事業の両部門の役割分担の在り方を検証し、取締役会に報告すべきとしています。
 「ケイパビリティー」(capability)とは、企業が全体としてもつ組織的な能力、
  あるいは、その企業に固有の組織的な強みのことです。

5)サクセッションプランは、20・30代からの経営人材の選抜や
  グローバル水準のリーダーシップ開発を目指します。

6)将来の自社の経営を担う資質を持った人材が後継者として選ばれているか
 社外取締役が適切に検証できるよう、十分な責任感を持った社外取締役を
 指名委員会委員長に登用することを検討し、取締役会・指名委員会と連携します。

7)人的資本経営の推進を経営陣の最重要ミッションの一つと認識し
 経営陣に対する報酬の支給額の一部が
 人材に関するKPIに連動する制度の導入を検討した上で
 取締役会・報酬委員会と連携する。

他も説明しきれない内容がございますので、人的資本経営にご興味のある方は
ぜひ動画をご覧ください。

多様な人材が活躍する5つの要素

人的資本経営とは、多様な人材が活躍しやすい環境を整える経営であるともいえるでしょう。
人材版伊藤レポートによると、多様な人材が活躍しやすい環境に5つの共通要素があります。

  1. 人材ポートフォリオ計画
  2. 知・経験のダイバーシティー&インクルージョン
  3. リスキル、学び直し
  4. 社員エンゲージメント
  5. 時間や場所にとらわれない働き方

人材ポートフォリオ計画

人材ポートフォリオとは、目指すべきビジネスモデルの実現に向けて
多様な個人が活躍できる環境が構築されていることです。
経営戦略の実現には、人材の量と質を中期的、長期的に維持していく必要があります。

そのために人材ポートフォリオの理想と現実のギャップを分析し
早い時期から人材の再配置や学生、専門人材などの外部人材の確保を検討し、実行します。

詳細は以下の動画で分かりやすく説明していますので、ぜひご覧ください。

名古屋の社労士事務所、労務サポートでは
経営者、人事労務担当者の幅広いご相談を承っております。

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